第47回社会保険労務士試験の合格発表が先日、11/06にありました。
私は受験生ではないのでブログでこの事を書くことが適切かどうかわかりませんが、
ちょっと長いですが、どうしても書かずにはいられないので書きます。
夏の本試験直後のいろいろな方の感想では、
悪問はなかったとか、妥当な問題が多かったと聞いています。
択一の問題が長文化したとかも聞きました。
過去問の出題割合が減ってきているとか。
個数問題が増えてきているとか。
それでも、まあそういう事もあるかと思いました。
誰も知らないような問題で即死するような滅茶苦茶なことはなかったんだな、と。
本試験から数日経って、自分で選択式だけ解いてみましたが
「自分はできなかったけど、受験生だったらできただろう。
努力した人は必ず合格できる妥当な試験だったかなあ」
と感じました。
そのことは過去のブログにも書きましたので、そちらを参照ください。
そして合格発表日を迎えました。
結果は、
択一45点以上、救済なし
選択21点以上、労一・社一・健保・厚年は2点救済
合格率2.6%、合格者1051人
そうか、、、、、
金曜日のお昼休みに基準点と合格率を知り、血の気がひくような思いで眺めていました。
うーーーーん、とため息が出て、言葉が出ませんでした。
そして思いました。
なんて不条理なんだ、と。
その後、「選択21点は思ったより低いな、労一の救済もあるんだなあ」
と冷静になってから思いました。
「おそろしい、、、今年、試験を受けていたらたぶん不合格だったろうなあ」
択一の点数を45点から下げないのはなぜ?
予備校の救済予想の筆頭だった労災を救済しないのはなぜ?
合格率を2.6%まで下げたのはなぜ?
試験の実施者は納得の基準なんでしょうが、受験生はわけがわからず呆然としていると思います。
せめて基準点や合格率の合理的な説明がほしい、と思っていると思います。
2014年の試験は合格率が9.3%合格者4156人だったじゃないか、なぜ今年は合格率2.6%合格者1051人なんだ?
基準をどこに設定するかを決めるのは自由だと思います。
そこにまではクレームはつけるべきではありません。
でも、せめて連合会や試験センターは基準の説明をすべきだと思います。
そうでないと不合格になった受験生は置いてけぼりにされて前に進めないと思います。
2014年に合格率を上げすぎてしまったから2015年は合格率を下げて合格者の数を絞って調節した、ということなんでしょうか?
だとしたら、2014年のとばっちりを食らう2015年受験生はいい迷惑ではないでしょうか?
勉強の期間は2014年も2015年も同じ1年であって、同価値であるべきだと私は思います。
特定社労士の訴訟業務拡大のために合格者を厳選し始めた、という話も聞きました。
それならば、社労士の数は維持して特定社労士の資格取得の難易度を上げれば済む話じゃないかと思ったりします。
社労士資格を取得しても全員が訴訟業務に携わるとは限りませんし、むしろ訴訟とは縁遠い社労士の方のほうがほとんどじゃないでしょうか?
※補足
第8次社労士法改正において、全社労士に対して補佐人としての陳述権が与えられました。
そのためには現行の社労士試験を見直すように求められているようです。
付帯決議
訴訟代理人の 補佐人制度 の創設 については 、個別労働関係紛争に 関 する 知見の 有無 にかかわらず 全ての 社会保険労務士 を 対象 としていることから、 その職務を 充実したものとするため 、社会保険労務士試験 の 内容の 見直しや 対審構造での紛争解決 を前提 とした 研修 などのほか 、利益相反 の観点 から 信頼性 の 高い 能 力を 担保するための 措置 を検討 すること 。 また 、 補佐人としての 業務 が 能力 に 基づき適切 に行 われるよう 指導 を徹底 すること。
参考リンク
社会保険労務士法の一部を改正する法律案に対する附帯決議 (平成26年11月11日)
社会保険労務士法の一部を改正する法律案に対する意見書
第8次社労士法改正において、全社労士に対して補佐人としての陳述権が与えられました。
そのためには現行の社労士試験を見直すように求められているようです。
付帯決議
訴訟代理人の 補佐人制度 の創設 については 、個別労働関係紛争に 関 する 知見の 有無 にかかわらず 全ての 社会保険労務士 を 対象 としていることから、 その職務を 充実したものとするため 、社会保険労務士試験 の 内容の 見直しや 対審構造での紛争解決 を前提 とした 研修 などのほか 、利益相反 の観点 から 信頼性 の 高い 能 力を 担保するための 措置 を検討 すること 。 また 、 補佐人としての 業務 が 能力 に 基づき適切 に行 われるよう 指導 を徹底 すること。
参考リンク
社会保険労務士法の一部を改正する法律案に対する附帯決議 (平成26年11月11日)
社会保険労務士法の一部を改正する法律案に対する意見書
何れにせよ社労士試験は不条理で不合理なものです。
コレは今に始まった事じゃなく、何年も何十年もそうなんです。
点数や救済科目にアレコレ言いたいことがあっても、
過去の合格者は耐えて勉強を継続してきたんです。
嫌気が差して受験を断念されても無理はないと思います。
でもよく考えてみてください。
世の中はそもそも不条理で不合理じゃないですか。
何にも悪いことをしていないのに、交通事故に遭ったり
規則正しい生活をしているのにガンになったり、
機嫌の悪いお客さんからいわれのないクレームを言われたり、
住んでる場所が違うだけで戦争に巻き込まれて家を失い難民にならざるを得なくなったり、
税金を多く払う人、安く済む人
とかく世の中は不条理で不合理で、不公平で差別に満ちていて、
それでも自分の哲学や夢や理想を基準にして、
自分の考えでこの世の中を生きていくしかないんです。
社労士試験に何度も不合格になった自分だから、
不合格になった無力感・虚脱感はわかります。
秋から冬になっていく風が余計に寒く心の中にまで吹き込んでくるような感覚は忘れることはないでしょう。
受験を諦めるのも有りだと思います。
コスパを考えれば受験に掛ける費用もバカになりませんからね。
でも再受験をするならば、社労士試験の不条理や不合理に負けない勉強で乗り越えて欲しいです。
いつか頑張れば報われます。
私がそんな一人でしたから、私がその証明です。
今年も1000人以上は合格しています。
合格した人のブログは全然見かけませんが、日本全国にはいるわけです。
なんにせよ社労士試験に合格しても、勝負はそこからです。
試験に合格して名簿に登録してからがスタートです。
勉強しても営業活動でもやることは山ほど有ります。
合格しても不合格でも勉強は続くんです。
お客さんの前で「そこは勉強してません」とは言えません。
社労士になるなら、社労士の勉強は一生続くんだ、ぐらいの気持ちで取り組めば、
今年は不合格でもまた頑張ろうって気持ちにはなりませんか?
合格しても勉強は続くんですよ?
一生か廃業するまでは続くんですよ。
合格しても先生になれるわけではないんですよ?
先生と呼ばれることはあるかもしれませんが、中身がなければバカ先生と陰で呼ばれて悲惨なことになるだけです。
勉強し続けて中身が伴ってこそ世間に認められる社労士でいられるんです。
「そうなんだ、社労士になるには、勉強は何にしろ続けなくちゃならないんだ」
「社労士になるための勉強の一部が少し長引いたぐらいなもんかなあ」
そんな人が一人でもいて、この記事を読んで、
再スタートのための力を、
背中を押すことができたのならば望外の喜びです。
再スタートを決めた方へ
頑張ってください。
自分なりの今年の勉強の反省をして、それを埋める工夫をして、
来年の試験当日に後悔のない体制で臨んでください。
試験は体力と精神力が勝負です。
頭の良し悪しはあまり関係ありません。
来年の合格をお祈りします。
断念された方へ
お疲れ様でした。
1年間頑張ったことは他人には理解されないでしょうが、自分の中で確実に財産になります。
苦しい思いや忍耐することは多くあったでしょう。
社労士受験生はみんな、そんな苦しさを共有していますよ。
また社労士の知識が実生活で役に立つ時が必ず来ると思います。
社労士の知識は身近な物事に関わってくるものですからね。
なので、決して勉強は無駄ではなかったと思います。
試験や資格は逃げません。
また機会が巡ってきたら再挑戦されること願っております。続きを読む